代替医療とホスピス

■代替医療と健康食品


日本ではホスピスと言えば、末期がん患者のターミナルケア(緩和ケア)をする施設を指しますが、もともとホスピスとは、中世ヨーロッパで、旅の巡礼者を宿泊させた教会のことを指します。
病気や怪我をした巡礼者を看病やケアをしたことから、看護収容施設全般をホスピスと呼び、そこで看護にあたる無償の献身と歓待をホスピタリティ (Hospitality)と言い、それが病院を意味するホスピタル(Hospital)となります。

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イギリスのブリストルに古い小さな教会を改築した、ブリストル・キャンサーヘルプセンター(ブリストル癌センター)という施設がありました。※現在の名称はペニー・ブローン・キャンサー・ケア(Penny Brohn Cancer Care)で所在地が変わって、施設規模も大きくなっています。
私がここを訪れたのは10年前でしたが、その時ですでに約20年の実績がある施設でした。ここの運営は慈善寄付や利用者の料金で維持されていて、まさに現代のホスピスと言える施設ですが、運営開始からしばらくは国営放送BBCをはじめイギリス国内のマスコミ各社から「藁をもすがる末期がん患者をターゲットに非科学的な療法を強いている」と激しいバッシングを受けたそうです。
それでも地道に患者本位の補完医療(自助療法)の実践を続けているうちに、スタッフの献身的な対応や利用者の口コミで、やがてそれらの誤解が解けバッシングしたマスコミからは、誤解報道であったと謝罪放送や謝罪記事が発表されたそうです。

この話を聞いた時に、松本サリン事件の河野義行さんへの冤罪報道を思い出しました。とかくマスコミは興味本位・視聴率至上主義で、物事を悪意にあるいは美談として誇張気味に伝える傾向があります。
日本国内でも難病患者や癌患者とその家族が集まり長年にわたり「患者の会」としてホスピタリティ活動を地道に続けている団体が数多くありますが、私はそういう団体にこそスポットを当て、寄付金が集まるようにと常々願っています。最近、一部のマスコミや制作会社が企画した書籍や映画とのタイアップで、乳癌の早期発見キャンペーンがPRされていることには違和感を感じています。

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ブリストル・キャンサーヘルプセンターでの具体的な活動は、癌は一臓器の病気ではなく、その人の身体、心、霊性(魂)に影響を与えるという理解に基づいており、癌治療に対する"ホリスティツク(全体的)"なアプローチをしています。センターのプログラムは、2日間の予備コースと5日間の宿泊コースがありグループ・個人カウンセリングヒーリング、栄養学アドバイス、アート・音楽セラピー、マッサージなどですが、病院ではありませんので既存医療の医師の診療はオプションになっていました。

私自身が一番驚いたのは、瞑想ルーム(元々教会の礼拝室だった部屋)に足を入れて瞑想のプログラムを体験した時です。そこには利用者の物と思われる、ブッタ像(仏像)、マリア像、サイババの写真の他、見たこともない偶像や曼荼羅のようなものが置かれていました。
ここでは利用者(患者さん)が何を心(魂)の拠り所とするかは"なんでもあり"で全くの個人の自由なのです。ブリストル・キャンサーヘルプセンターでは、各プログラムを自助療法の一環と言う言い方をしていました。つまり癌治療は患者さんが自ら欲する方法を優先し、スタッフはそれの手助けをすることを第一義としており、けっして押し付けの治療や指導はしていないのです。


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タグ:ホスピス

2009年07月04日

posted by たすけ at 01:10 | Comment(4) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ホリスティック医療と代替医療

■代替医療と健康食品


代替(だいたい)医療という言葉もだんだん一般化しつつありますが、これを英訳すると
Alternative Medicine オルタナティブ・メディスン(代替医療)
Complementary Medicine コンプリメンタリ・メディスン(補完医療)

になりますが米式・英式の違いとニュアンスの違いだけで実質はどちらも同じです。
日本で代替医療と言えば、漢方、鍼灸、温泉療法、食事療法、カイロプラクティック、アロマテラピー等が代表的な療法になりますが、これらと一般診療科目(保険診療)と融合させて混合医療または
Integrative Medicine インテグレーティブ・メディスン(統合医療)と言う言葉もあります。前記の
Holistic Medicine ホリスティック・メディスンも、全体を包括するという意味では統合医療と言えます。

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ロサンゼルス[USC][UCLA/DREW University]にて 1999年

アメリカは代替医療先進国で、サプリメント大国だと言われていますが、日本では社会医療保険制度が整備されているので、病院にかかったほうが経済的負担は軽くなりますが、米国では社会保険加入率が低く医療費がべらぼうに高いので代替医療にかかったほうが安いからです。特に中国系・韓国系移民の多い西海岸では民間保険で鍼治療をカバーしているのでその利用率は高いです。
日本で薬草と言えば漢方を思い浮かべますが、イギリスではハーブ療法、ドイツでは水とハーブをベースとしたクナイプ療法などが主流で、日本でも一部の漢方処方には医療保険が適応されるように、イギリスではハーブ療法に、ドイツではクナイプ療法に、医師が治療の一環として処方する場合には保険が適応されています。

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ケンブリッジ[Cambridge Christ's College]にて 2000年

私自身、今後の医療は統合医療と向かって欲しいとの願望があるのですが現実的には、現代医療と代替医療は対峙する形となっており、患者さんは二者択一を迫られるのが実情です。
日本国内で、代替医療やホリスティック医療を実践しているクリニックや病院は増えてはいますが、ベルリンのHavelhoehe(ハーフェルホーエ)病院のように、多種多様な専門医とセラピストが常勤している病院は稀です。おおよそは、院長自身が得意する漢方や温熱療法や食事療法を中心としてそれと提携するセラピストが緩やかなチームを組んでいる形が主流です。

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オックスフォード[Oxford St Anne's College]にて 2004年

代替医療を実践している医師も、早期の癌で身体へのリスクが低い場合は、現代医療を信頼して切除手術や抗癌治療を否定しません。むしろ頭から現代医療や抗癌治療を否定するのは、医師ではなく偏った治療法に固執している人々です。
ほとんどの場合、ホリスティック医療や代替医療を実践している病院やクリニックを訪れる患者さんはステージの進行した癌や、現代医療では治療方法が手詰まりとなった場合の患者さんです。
このような現実をつねに見ていると、やはり私は現代医療と代替医療の垣根を取り払い、統合医療という患者本位の医療が確立されるべきだと考えます。


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2009年07月03日

posted by たすけ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アントロポゾフィー(Anthroposophy)とホリスティック(Holistic)

■代替医療と健康食品


癌の治療法として、ホリスティック(Holistic)医学という言葉が聞かれるようになっていますが、Holisticとはギリシャ語のholos(全体)を語源としており、人間を「体・心・気・霊性」の統合体とし、病気に対して自然や宇宙との調和にもとづく治しと癒しを包括的に考えるという点では、前記のアントロポゾフィー(Anthroposophy)とほぼ同じ考えです。

アントロポゾフィー医学やホリスティック医学では、しばしばホメパシー(同種療法)が行われていますが、ホリスティックではさらに、漢方、気功、鍼灸、アーユルヴェーダなど主にアジアを中心した伝統療法なども取り入れています。

アントロポゾフィー医学やホリスティック医学は、いわば"なんでもあり"医学であり、非科学的だと批判されることも多いのですが、私自身がこういった医学に肯定的な理由は"死"という現実を踏まえて患者さんと接しているからです。言い方を換えれば、"死はすべての終焉ではない"という観点を持つことで心穏やかに日々を送れるメリットが大きいからです。

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一方現代医療でも、末期がんのターミナルケアとしてホスピスがあり、私自身もホスピスケア研究会に属していますが、安らかな最期に向けての看護士やボランティアの献身的な看護には頭が下がります。

「手術の成功率は何%くらいでしょうか?」「余命はあとどれくらいでしょうか?」
この気持ちは、わからないではないですが、癌治療に関しては、発生部位、年齢、ステージによっても選択肢は変わりますが、大別するとこのような確率や数字をはっきり示してもらいたいと考えるならば、現代医療を選んだ方が良いと思います。

医療(医学)とはなにがなんでも身体を生かすことのみが目的であって、死んだらそれでお終い、その後のことは坊さんか牧師さんに聞いてくれ。と割り切って考える方もいらっしゃると思いますが。生きる意味、死ぬ意味、を正面から患者さんと向き合い「気持ちよく生き、気持ちよく死ぬ」ということまでを医療と考えるのが、アントロポゾフィーやホリスティックであると私は捉えています。

アントロポゾフィーやホリスティックも現代医療でも、患者さんに対しできる限りの最善を尽くすという医療者としての思いは一緒です。ただ残念な現実は、代替医療を行っている医師は、あくまでも患者本位で治療方法の間口を広げてあげたいと考えているのですが、現代医療側ではそんなエビデンスの乏しい治療は医学ではないと、あるいは保険診療が適応されない患者さんの経済的負担も考えて、かなりの医師が否定的かまったく無関心であることです。


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2009年07月02日

posted by たすけ at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アントロポゾフィー(Anthroposophy)とヒーリング

■代替医療と健康食品


シュタイナー医学をアントロポゾフィー医学という場合もあります。シュタイナーが著した「テオゾフィー」や「神秘学概論」によりシュタイナー医学を人智学ではなく神智学という場合もあります。

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ヒーリングという言葉もよく聞くようになりました。
「波動やスピリチュアリズムを心身に働きかけて生命力・自己治癒力を引き出し、治癒・回復を促す」...と。なんとも胡散臭い説明がされる言葉です。
私たちは日常的に気分転換でストレスを解消していますが、平たく言えばこの気分転換もヒーリングです。ある症状に効く筈の薬を飲ませていても、一向に改善しなかったのに、患者が抱えていた心配事が解決した途端に症状が改善したり、薬の効果が顕著に現れる。このような物質と精神の相互作用を重視し、患者にとって最良のタイミングで薬の投与を計るのがシュタイナー医学の真骨頂と言えます。

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私がベルリンのHavelhoehe(ハーフェルホーエ)病院で体験したアントロポゾフィーは音楽療法や絵画療法などでしたが、ここではドクターとセラピストは同格であり治療方針の主導権は患者自身にあります。これは自己主張がはっきり言える欧米人の気質とそれを当たり前考える風土が根底にあればこそで。「治療方針はすべて先生にお任せします」という受動的な日本の風潮の中では、なかなか同じようにはいかないと思います。
理想的なシュタイナー医学が実践できる病院とは、内科・消化器科・外科・脳神経外科などの各専門医とアート・オイリュトミー・マッサージなどの各セラピストがチーム医療として常に科学的データを把握しながら患者のボディ(身体)、マインド(心)、スピリット(霊性)の人間丸ごとを診れる環境下にあることです。

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アントロポゾフィーと聞いて眉をひそめる人も多いのですが、それは宇宙エネルギーだとか、霊性(魂)だとかのオカルティズムな要素を含むからで。実際、怪しげな霊感商法やヒーリング商法で、病気で悩んでいる人や家族から多額の金品を巻き上げる団体もありますので注意は必要です。少なくとも現代医学を真っ向から否定し、感性(個性)の異なる患者にすべて同じ治療(施術)法を強要するようなところは避けた方が無難でしょうね。


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タグ:ヒーリング

2009年07月01日

posted by たすけ at 15:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シュタイナー医学とゲーテ(人智学)

■代替医療と健康食品


20代〜30代に教育関係の仕事をしてた頃に読み耽った文学作品はゲーテの書籍でした。
40代になり医療関連の仕事に入った時に、ルドルフ・シュタイナーの掲げる人智学に惹かれていったのは自然な成り行きでした。

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ベルリン日独センターにて

ウィーン工科大学でゲーテの自然科学観に触れる機会をもったシュタイナーは、自らの精神科学を人智学と名付けました。そして人間の構成をボディ(身体)、マインド(心)のみならず、スピリット(霊性)も含めて、そのスピリット(霊性)を重視するのがシュタイナー医学です。シュタイナー医学は治療と言うよりは患者さん本人の潜在能力(治癒力)を引き出すいわば「治癒術」と言えるかもしれません。

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ルドルフ・シュタイナー(1861年生れ)と、森鴎外(1862年生れ)は同時代を生き、鴎外もゲーテの「ファウスト」を翻訳するという共通項がありますが、シュタイナーも鴎外もその多大な業績があるが故に賛否が分かれます。
一見、文学は政治や医療と無関係に思うかもしれませんが、人情や世の中の機微を綴った文学は「人を動かし、人を癒し、世を変える」政治家や医療者に多大な影響を及ぼしています。


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タグ:ゲーテ

2009年06月30日

posted by たすけ at 22:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フンボルト大学と森鴎外(医食同源)

■代替医療と健康食品


今日で51歳になりました。今日は自分の誕生日でありますが、ある方のお葬儀に参列してきました。一昨日はある方の偲ぶ会に列席させて頂き「生きる勇気、死ぬ元気」という命題と向き合いました。

思えば30代後半でホリステック医療と出会い、40代の10年間はずっと代替医療を学ぶ日々でした。拙ブログではこの項に関して深く触れませんが、今日の誕生日を機会に半生記のカテゴリで、しばらく40代の思い出を簡単に綴っておこうと思います。
という訳で、ちょっとしばらく自転車ネタは出来てきませんのですみませんf(^、^;

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Humbolt University フンボルト大学メディカルセンターにて

ドイツのベルリンにあるフンボルト大学は、舞姫などを著した文学者:森鴎外が留学した大学として有名ですが、一方鴎外には陸軍の軍医総監としての経歴があります。
その鴎外が慈恵医大の創設者である海軍の軍医総監高木兼寛との間で、脚気の原因をめぐって壮絶な「兵食論争」を行い。「脚気は感染症」であるとの主張を譲らなかった鴎外の影響で日露戦争では、陸軍兵士110万人のうち22万人が脚気を患い、27,800人の病死者を出す結果となってしまいました。
一方高木説を採用した海軍は、海軍糧食条例によって兵食改良(麦飯や副食の改善)を行い、海軍兵員の脚気患者をほぼ消滅させました。

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このフンボルト大学で「医食同源」の講義を受けたことは誠に感慨深いものがありました。


タグ:医食同源

2009年06月29日

posted by たすけ at 02:10 | Comment(6) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エヴァで連想するもの

■代替医療と健康食品


知人のブログに「エヴァ」との表題があり、これはエヴァンゲリオンのことらしい。私はエヴァンゲリオンというアニメ?は名前は聞いたことがありますが、どんなストーリーなのか全く知りません。

私の世代で、エヴァ・・エバと言って連想するのは「エバポン」という液体のトイレ消臭剤。今で言えば、「トイレその後に」と同じようなもので小さな目薬程度の容器に入っていて、用を終えたあとほんの数滴を落とすのある。かなり強烈なコロンのような臭いで、誤って手についたりするとなかなか臭いがとれない。

私の小さい頃は、水洗トイレも洋式トイレもまだまだ普及していなく、いわゆる「ぼっとん便所」の和式の便器。だいたいトイレは、北側にあるものだから冬の木枯らしが吹く頃になると、汲み取り口の隙間から風が入り込みおしりも冷たく、臭いもぶわぁ〜と下から来たものでした。

さて、長時間「和式体勢」でいることは、相当膝に負担が来るもので、血流も悪くなり、またふんばることで血圧も一気に上がり、昔は冬の朝の便所で、脳溢血で倒れるなんてことはよくありました。

朝起きたら、先ずは水をコップ一杯飲む習慣はよいことです。
お通じが良いと言う事は、健康上とても大切なことですね。

2006年02月22日

posted by たすけ at 12:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■代替医療と健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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