「山さ行がねが」と「宮澤賢治の詩の世界」

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あんまり眩ゆく山がまはりをうねるので  ここらはまるで何か光機の焦点のやう
蒼穹(あをぞら)ばかり、 いよいよ暗く陥ち込んでゐる、
(鉄鉱床のダイナマイトだ  いまのあやしい呟きは!)


宮澤賢治「春と修羅 第二集」の詩・峠(仙人峠)の書き出しですが・・・
仙人峠に縁、【山さ行がねが】と【宮澤賢治の詩の世界】の2つのサイトのご紹介。

「銀河鉄道の夜」の原点、JR釜石線で特徴的な線区は、上有住駅⇒陸中大橋駅の8.3km
のトンネルばかりで、最後にオメガカーブで陸中大橋駅に出る線形に興味が湧きました。



昭和25年(1950年)まで、釜石線は仙人峠駅と陸中大橋駅の間で東西に分断されて、両駅の間は貨物は策道(簡易ロープウェイ)を使い、旅客は2時間半〜3時間をかけて徒歩で峠越えをしていたそうです(驚) 単純に仙人峠駅⇒陸中大橋駅の間をトンネルで繋げばいいのに・・・なんて思いますが、両駅の距離間が約4kmで標高差が306m。これは品川駅から東京タワーのてっぺんまで一気に登る勾配であり、そんな勾配のきつい鉄道なんて無理でしょうねぇ。
因みに、ケーブルカーでなく鉄道として日本で最も急な勾配を登っていくのが、箱根湯本駅⇒強羅駅間の箱根登山鉄道で、距離間約9kmで標高差445mを、スイッチバックを利用してを登って行きます。

JR釜石線と仙人峠

ともあれ、1929年(昭和4年)から国鉄により仙人峠のルートの検討が行われ、栗ノ木峠の下を足ヶ瀬トンネルでくぐって気仙川流域へ一旦出て、上有住駅(新駅)を経由し土倉峠の下を土倉トンネルで抜けて、東側斜面を大きなオメガカーブを描く形で陸中大橋駅へ降りていく線形が採用され、戦争で一旦中断後、昭和25年に悲願の釜石線の全線開通となったそうです。
(この開通によって仙人峠駅は廃止)

2007年(平成19年)には、新仙人峠道路(実際は仙人峠を経由しない)も開通し、車でも距離で7.5km、時間にして約35分の短縮。普段流山市内の新道建設で、旧道が次々と寸断されてしまった事を嘆いていた私ですが、やはりところ変われば新道開通は住民の悲願なんだなぁ・・・と。
つくづく考えされられました。

さて本記事は、お気に入りサイトのカテゴリに入れたのですが・・・
先ず、松戸市生まれ横浜育ち、小6で秋田に引っ越して廃道に目覚めたヨッキれんさんが運営する【山さ行がねが】 ご本人筆の紹介文が秀逸ですので、そのまま引用させて頂きますm(_ _)m
しかし、いつしか私が夢中になっていたのは、
誰からも顧みられず荒れ果てた、-----廃道。
とうに主役の座を降りた、-----旧道。
人や車はおろか、光さえ通さぬ、-----隧道。
時刻表から抹消された、-----廃線。
東北の一時代を築くも、全ては昔語りの彼方、-----林鉄。

そんな、地図にも描かれていない道たちだったのです。

“失われた”道の探索には、
前を行く車の轍を追いかける旅とは違った、
「発見」という喜びが、満ち溢れていました。
私はますます夢中になってしまいました。

われわれのそばには、たくさんの道があります。
地図に載っている道が全てではありません。
過去そこにあった道や、まだ姿を見せない道があります。
そのどれも、未知へと繋がる道たちです。

もし、それらの存在に改めて気づいたとき、
あなたの周りの見慣れた風景も、
また違ったものに見えてくるかも知れません。
たぶん、拙ブログの読者の方でもう、ご存知の方も多いのかも知れませんが、師走の忙しい時期に、こんな素敵なサイトに出会ってしまって、嗚呼、もう堪りません(T_T) 廃道、廃線、旧道、隧道好きな方で、今忙し方はこのサイトを見ない方がいいです、絶対嵌ります(苦笑)

私がここを知ったきっかけは、仙人峠について調べていたら、この【道路レポート】に辿りついてしまって...嗚呼それから、もう【山さ行がねが】の虜^^; 「ちょっとだけ、ここ読んでみよ」...と思いつつ...って駄目めよぉ(T_T)内容・文体も面白過ぎて、ついつい仕事そっちのけ...今とにかく先を読みたい気持ちを必死に抑えながら、師走の仕事と格闘しています(^^;)



人はみな時間という列車に乗っかっています。
列車が走るにつれ、景色の見え方がかわります。
歴史も、見る位置によって見え方がかわります。


これはある歴史学者の言葉で、この史学サイトもお気に入り登録済なのですが、これとほぼ同意で..

宮澤賢治が表現しようとしたみずからの歴史観=時間観は
次のように言いあらわしてみることができるのではないでしょうか。
 「時間のなかの「いま」という、たったひとつの地点から見た歴史が、何か客観的・絶対的な存在として、あるとは考えない。
 そうではなくて、過去から現在まで、それぞれの「時」に感じられ考えられていたことが、それぞれみんな平等に「本統」であり真実であり、それら感じられたものすべての集積として、時空的に広がった『世界』がある。」
と表現されたのが...京都のhamagaki(浜垣 誠司)さんの運営する
【宮澤賢治の詩の世界 ( mental sketches hyperlinked )】です。

宮沢賢治をテーマにしたサイトは数多ありましたが、複雑な賢治の作品群をあまりにも緻密に整理し。且つ、論理的な書評をしながら、決してお仕着せにならないような文体に感動して読み進めています。あとで、hamagakiさんは現役の精神科医だと知って・・・
「嗚呼なるほど、それで基本、読者に余白を残した優しい文体なんだ」と合点がいきました。

元来、賢治の作品はどれも「さらっと読みとる」などということができない、精神(心象)世界の作品ばかりなので、このサイトもじっくり拝読したいサイトと、お気に入りに登録しました。
ヨッキれんさんの【山さ行がねが】然り、hamagakiさんの【宮澤賢治の詩の世界】然り
ひとつのテーマに深化したサイト造りは、私にはできない芸当なんですよねぇ...なので、こういうサイトに出会う度にお気に入りが増え続け、どこかの誰かさん同様、Web holicになっていく訳なのです(^^;)

冷たい風が、 せはしく西から襲ふので
白樺はみな、 ねぢれた枝を東のそらの海の光へ伸ばし
雪と露岩のけはしい二色の起伏のはてで
二十世紀の太平洋が、 青くなまめきけむってゐる
黒い岬のこっちには 釜石湾の一つぶ華奢なエメラルド
 ……そこでは叔父のこどもらが
   みなすくすくと育ってゐた……
あたらしい風が翔ければ 白樺の木は鋼のやうにりんりん鳴らす


銀河ドリームライン釜石線は、震災後1ヶ月で復旧したけれど
海岸線は旧道も鉄道も壊滅状態...賢治が今に生きていたならば
イーハトーブ復興に向けたどんな詩を綴るのだろう・・・

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2011年12月10日

posted by たすけ at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | お気に入りサイト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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