ツァラトゥストラはかく語りき...はレインボーマンではないか!?の話

TVドラマや漫画の追憶

リヒャルト・シュトラウス作曲のツァラトゥストラはかく語りき(=ツァラトゥストラはこう語った)は「2001年宇宙の旅のテーマ曲」としてあまりにも有名ですが、シュトラウスに曲のインスピレーションを与えたのは、哲学者フリードリヒ・ニーチェ著の『ツァラトゥストラはかく語りき』
社会とは何か?人生とは何か?生きるとは何か?
この命題の答えを探す為に、ツァラトゥストラは俗世間から離脱し、10年間山にこもって修業をします。そしてツァラトゥストラは旧来の神はすでに死んでいる、もはやこの世に神など存在しない」と悟ります。
すべての神々は死んでいる。今こそわれらは超人の誕生を切望する。いつの日か超人の生まれ出る日を期待し、自らをそのために捧げようとする人びとを私は愛する。もしも人類にまだ目標がないとするならば、人類自体もまた存在するとは言えないのではないか?
スタンリー・キューブリック監督が2001年宇宙の旅のメインに「ツァラトゥストラはかく語りき」を選んだ理由は、曲の荘厳・壮大さもさることながら、きっとニーチェのメッセージを込めたのではないか?

いずれにしても、ボーマン船長が胎児に変わるラストシーンがとても印象に残る映画でした。
ツァラトゥストラは山奥で修業して、ボーマンは時空を越えて超人となる....ん?
・・・・・阿耨多羅三藐三菩提(=あのくたらさんみゃくさんぼだい)



インドの山奥で 修行をして ダイバダッタの 魂宿し 空に掛けたる 虹の夢♪
人間だれでも みな同じ 肌や言葉の 違いを除きゃ みんな仲間だ そうなのだ♪
たとえこの身が どうなろうと 愛と正義の 命じるままに 海も越えよう どこまでも♪

な〜んだ!ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』は
愛と正義の戦士、超人レイン"ボーマン"に引き継がれているではないか!?
そう言えば、レインボーマン(=ヤマトタケシ)は、ヒーローなんだけど常に苦悩の人でした。
さらに、ニーチェは『道徳の系譜』の中で、ルサンチマン(=憤りや怨恨、憎悪、非難の感情)を取り上げていますが、おぉ!これこそレインボーマンの宿敵「死ね死ね団」ではないか!?

...ちょっと、こじつけが過ぎましたが^^;

ニーチェの教示に、ポピュリズム(大衆迎合主義)への批判があります。
●自分では何もできないことを正当化しながら、自分のフラストレーションを肯定するな。
●世論と共に考えるような人間は、自分で目隠しをし、自分で耳に栓をしているのである。
●他人の見解に便乗して賢者になるくらいなら、自力だけに頼る愚者であるほうがましだ。
●狂気は個人にあっては稀なことである、しかし集団・民族・時代にあっては通例である。
●事実というものは存在しない、存在するのは解釈だけである。
ニーチェによれば、ルサンチマンを持つ人とは、想像上の復讐によってその埋め合わせをつけるような徒輩であるとしており、ルサンチマンを持つ人は自身の無力を痛感し、無力でフラストレーションを溜めた状態にある。こうしたルサンチマンの特長は、敵を想定しその対比として自己の正当性を主張するイデオロギーにある。敵が悪の元凶だから反対に自分は道徳的に優れている。つまり「彼らは悪人だ、従ってわれわれは善人だ」という思考に陥る。

ん〜...まぁ現在のネット社会に例えると、2ちゃんねるや掲示板などで、執拗に他者批判や自己主張を繰り返すような徒輩がルサンチマンの代表例だと言ったほうがわかりやすかな?

ニーチェ作品は、読者自らが心を解体した経験がないと解らないとも言われていますが
「鬱病患者の心理を探るためにニーチェの本を読み返してみた」...と友人の精神科医。
たぶん患者さんの中にニーチェに傾倒している方がいるのかも知れません。

ニーチェは、ロゴス(=論証)は、現実・現状から人間を遠ざけるもの。人間は流転する自己と社会の価値感を承認し続けなければならない悲劇的存在である。そしてその境地(自覚)に達することで自由なる精神を獲得するとも言っています。
・・・・・阿耨多羅三藐三菩提(=アノクタラサンミャクサンボダイ)

考えて、考えて、考え尽くして、その境地に達するのも方法だろうけど...
私は只管打坐(=何も求めずに、何も考えず、ただひたすら坐禅)して
「心と頭の中を空っぽにする修業の機会を作ったがいいのではないか!?」と^^;


PS.おまけの動画...パイプオルガンによる『ツァラトゥストラはかく語りき』



へぇ〜、フルオケもいいけど、この曲はパイプオルガンで聴くとずしんときますねぇ♪
松戸の聖徳大学の川並香順記念講堂に、確かパイプオルガンあったではないか!?
いつかここのパイプオルガンで『ツァラトゥストラはかく語りき』の演奏会ないかなぁ(^^;

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2011年06月27日

posted by たすけ at 22:37 | Comment(4) | TrackBack(0) | TVドラマや漫画の追憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
う〜。
なんか、よく分かんないです。
ニーチェは大人物でポピュリズム批判は正しいんだろうけど
ボクは大衆の中で商売をして生きている、大衆の構成員だもんなぁ。
たぶん、世間のヒトが持っている「イヤな部分」は、間違いなくボクも持ってる。しかも二割増しくらいで。
宗教に懐疑的な部分も持っているけど、祈らずにはいられないのは、「ボクの持っている浅ましさそのもの」って、気もします。
Posted by しゃあ あずなぶる at 2011年06月29日 14:26
>しゃあさん
実はこの記事は、ドラマ「JIN-仁-」の最終回の感想を書くための前々説です(笑)

次記事はさらにややこしく、次々記事で結論が出ますので、この記事はテキトーに流し読みしてください^^;
Posted by たすけ at 2011年06月29日 19:15
ご無沙汰しています。

レインボーマンはダッシュ6が好きでした。
変わり者だったんですねぇ。

そうそう、いつとははっきりは書けませんが、お互い誕生日おめでとうで、ございます。
Posted by ゆきたんく at 2011年06月29日 23:58
>ゆきたんくさん
いつとは言えないって...
かつて拙ブログのコメントにご自身ではっきり明記されていますよ!(笑)
おめでとう返しをしておきますね^^

今でも変わり者ですけど...何か?(自爆)
Posted by たすけ at 2011年06月30日 00:15
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