内部被曝についての論争 福島の仇を長崎で討つ? 武田邦彦vs山下俊一

日記(言いたい放題)

外部被曝と内部被曝の違いについては、こうしてネットを見ている方はすでに周知であると思いますのでここでは割愛します。
放射線は目に見えないので怖い...ということで。実際に目で見てみようとう実験が、東京都北区立:滝野川小学校6年生の放射線・放射能に関する出前授業で行われたということを前記事で書きました。身近な放射性物質から出される放射線を目視することは比較的簡単なツールで可能になります。しかし、人間の細胞の中に入った放射性物質が出す放射線を目で見える形で、撮影することは難しいとされてきました。

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の七篠和子助教らが長崎原爆被爆者のパラフィン標本(=すでに死亡した患者の細胞組織)を特殊な方法で撮影し、"死の灰"の放射線を世界で初めて目視確認に成功しました。
この研究成果を評価する点は、細胞内の放射線を目視できるようになった!という単純な事ではなく。細胞内の放射線物質(=内部被曝で体内に入った物質)を素早く特定できるようになったことです。数年後・数十年後に福島原発から漏れた放射物質の影響で癌が発生するかもしれません。その時病理検査で発見された放射性物質が、明らかに原発から漏れ出した物質(=自然界にはない放射性物質)であるかどうかを特定する作業が速くなるという点です。



この動画の後半は、同大学院の中島正洋准教授の研究グループが、皮膚がん患者のがん周辺細胞を調べ、放射線によるDNAの損傷を調べているという内容になっています。
癌の発生はDNAの損傷に起因しますが、外部被曝の場合はその放射線物質の特定は不可能です。しかし、中島正洋准教授らのレポートで、DNAの損傷は爆心地から3km以上で5人に1人。1.5km以内で7人に5人と、外部被曝の放射線影響は距離の二乗に反比例に合致するという証明をしてくれています。

さて、長ア大学といえば、同大学附属原爆後障害医療研究の山下俊一教授が、福島県知事の要請で放射線健康リスク管理アドバイザーとなり「放射性物質の影響」として。以下抜粋
原発から10kmから20kmの圏内にいて避難した人は、放射線量で1mSv程度浴びたかもしれないが、健康に与える影響は、数μSvも100mSvも変わりがない、すなわちがんの増加頻度に差がないのです。

 また、1mSvずつ100回すなわち累積として100mSv浴びるのと、一回に100mSv浴びるのでは影響は全く違います。被ばくについて心配しなくてはいけないのは、福島第一原発の中で働いている人たちです。彼らは、被ばくを避けながら決死の覚悟で働いています。彼らの健康をいかに守るかを考えていかなければなりません。一般の人は、まったく心配いりません。

 低い放射線被ばく線量の健康に与える影響は証明することができないと言われています。そこから、「証明できないがゼロと言えない」→「わからないから心配」と考えるかもしれませんが、これは間違いです。放射能は目に見えないし匂いもしないから不安ですが、科学の力で数値化することができます。被害を防ぐための一つの手段が「測る」ということです。パニックになってはいけません。社会の一員として理性ある行動をお願いします。

放射性物質が広範囲に飛び散っているので、今後食物連鎖を通じて、汚染された食べ物が市場に出るのが困ります。まずは、どの地域でどういう汚染がでているのかモニタリングし、データをきちんと出すことが必要です。それらを照らし合わせて、食べたときの被ばく線量を推定し、1年間に数十mSv〜100msvに近づくようであれば、規制が必要になります。

 食の安全に厳しい日本では監視体制が強化されると思いますが、逆に規制が風評被害を及ぼさない配慮が必要になります。福島県民が背負った震災、津波、そして原子力災害という三重苦に対して、また東日本を襲った国家存亡の非常事態にすべからく国民がその重荷を分担する覚悟が今こそ必要であり、そのことが古来山紫水明の山島と呼ばれた大和の国の“和”を大切にパニックならず落ち着いて行動する日本の誇るべき文化ではないでしょうか。
このような内容について相当数の批判コメントが続いています。まして、今や絶大な人気者となった武田邦彦氏が、名指しで山下俊一氏を批判したものだから山下バッシングはますますヒートアップし、1_シーベルトvs20_シーベルトは、武田邦彦vs山下俊一、さらにはまるでジャイアンツvsタイガース...好き嫌い対決の様相になってしまっているような気がします。

1日も早く福島県を平常な状態にしたい...という願いは誰もが同じだと思います。
長崎大学は、福島原発の影響(放射線の因果関係)にとって大変有意な研究をしています。この研究成果は数年後・数十年後、きっと福島で被ばくした人々にとっても有意に生かされると思います。
武田邦彦氏でも山下俊一氏でも、それぞれを見解を支持するのも批判するのも自由だけど、どちらかの支持者(コメント)まで批判することは本末転倒じゃないかなぁ・・・

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2011年05月16日

posted by たすけ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記(言いたい放題) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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