1_シーベルトか20_シーベルトか 小学校で放射線量をはかる意味

日記(言いたい放題)

子供たちに対する被曝線量の安全基準をめぐって1_シーベルトか20_シーベルトかで福島県内が混乱しています。

最初に今日5月14日にTBS「情報7daysニュースキャスター」で東京都北区立:滝野川小学校で行われた放射線・放射能に関する出前授業について放映されました。以下、滝野川小学校のBlog記事
本日、5校時に6年生を対象とした放射線や放射能に関する正しい理解を目的とした出前授業が行われました。
日本科学技術振興財団の方が、放射線についてのお話をしてくださいました。
「はかるくん」という放射線を測定する機械を使って、身近にあるもの(塩や石、ランタンの中身など)の放射線量を測りました。人の体からも放射線が出ていることにびっくりしていました。
東北大学名誉教授 中村尚司先生には6年生の質問にひとつひとつていねいに答えていただきました。すべての質問に答えるには時間が足りませんでしたが、お手紙にして回答をしてくださるそうです。
拙ブログのこちらの記事で、でんじろう先生による[家庭にあるもので簡単に放射線検知器を作ってみよう]の動画を取り上げ『放射能(放射線)は目に見えないから怖い。放射線は身近でないから不安。』という放射線に対する恐怖心が軽減するのではないのか?と書きましたが、このような取り組みはとても良いことだと思います。

一方、福島県郡山市立:橘小学校では原発事故後、校舎内及び校庭等の放射線を測ってホームページに掲載していましたが、文科省及び福島県からの圧力?要請?で小学校ホームページへの放射線測定値掲載を中断ということが報じられました。以下、橘小学校の日記2011-04-26
先日来、本校独自で実施した校舎内及び校庭等の放射線測定値をホームページに掲載してまいりましたが、インターネット等での測定値の発表は、文部科学省や県など公的な機関が測定したものに限るとのことから、今週からホームページへの掲載は中断することとなりました。なお、学校独自の調査はこれまでどおり継続し、数値の推移等については、学校便り等で保護者の皆様にお知らせしてまいりますので、ご理解いただきますようにお願いいたします。
この件に関して、ネット上で政府や県に対して猛然と抗議の意見が寄せられ、「まるで戦時中の統制じゃないか」との批判が飛び交い、結果的に測定値の発表は再開されました。
本件の経緯については、エネルギーシフトと子どもの未来のために:橘小学校がHPで放射線の測定値アップを中止して、そして再開した件についてが詳細を掲載しています。かいつまんで言えば、橘小学校がホームページ上で放射線値を一旦中止したのは郡山市教育委員会の指示であり、最終的には橘小学校独自で判断したということになっています。

独自の判断...これをめぐって1_シーベルトか20_シーベルトかで混乱しています。

被曝の影響に関しては、一気に高線量を浴びた場合の急性障害と長期間低線量を浴び続けた場合の晩発性障害があります。急性障害のレベル(値)知見は様々ですが、政府はおよそ100〜250_シーベルト/時以下では急性障害は出ないという知見を示し、現在は緊急事態なので原発作業員の安全基準を100_シーベルトから250_シーベルトに一気に上げました。

癌など晩発性障害について(ICRP)国際放射線防護委員会は、一般人の人工線量被曝限度を1_シーベルト/年 と勧告し日本も法令に反映させていました。広島・長崎の被爆者の疫学調査では50_シーベルト、欧米15ヶ国で被曝した労働者の疫学調査では20_シーベルトで影響が出始めるという論文があり。20_シーベルトでも大丈夫という考えは、現在福島は緊急事態なので放射線を感受しやすい子供でも、20_シーベルトまでと考える方が、避難生活の混乱や事態収束への近道であると。

確かに人間は放射線被曝がなくても癌になるので、低線量被曝の影響をはかる事はなかなか困難です。況や晩発性障害は数年後・数十年後に出現してきます。数年後・数十年後に放射線との因果関係を認めるか、認めないかは、被曝した放射線の法的基準値が争点になってきます。政府(文科省)が20_シーベルトの値を持ち出したのは、避難生活の混乱や事態収束への近道というよりは、数年後・数十年後に予測される、被曝者訴訟への予防線ではないかと私は思っています。

つまりは、低線量被曝の影響を100_シーベルトとしておけば訴訟数は1/100、50_シーベルトとしておけば1/50、20_シーベルトとしておけば1/20になるという算段ではないかと。1日も早く福島県を平常な状態にしたい...という願いは誰もが同じだと思います。しかしその計画の中に、政府はすでに国家賠償責任(=福島原発被曝訴訟)への回避策をはかっているような気がしています。

国の計画方針を非難しているだけでは、かえって福島を混乱させ復興を遅らせるだけだ。という考えも私は理解します。でも、国(政府)の20_シーベルトでも安全であるとのはかりごとの裏に、上述のような算段を含んでいると考えしまうのは、私が原爆症認定集団訴訟の関連サイトをかじってしまったからでしょうか・・・。

人気ブログランキングにほんブログ村 自転車ブログblogram投票ボタンランキング投票ボタン
日本ブログ村

☆読んで頂いて感謝なっしー♪

クリック頂けたら感激なっしー! ⇒⇒

ブログ執筆の励みになりますf(^、^;



2011年05月15日

posted by たすけ at 14:03 | 日記(言いたい放題) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。