日記(言いたい放題)
東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応に当たるために、内閣官房参与に任命された、原子力の専門家で東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が記者会見し「政府の対策は法にのっとっておらず、場当たり的だ」として、内閣官房参与を辞任することを明らかにした。辞任理由の全文についてはNHK「かぶん」ブログ=NHK科学文化部ブログを参照。
NHKで反政府声明の全文を掲載したのに驚いたが、もっと驚いたのは小佐古敏荘氏の手のひら返しの倫理感だ。田中好子(スーちゃん)主演映画「黒い雨」をDVDで観た頃、放射能(原爆)訴訟についてちょっとかじった。小佐古敏荘氏は典型的な御用学者で「原爆症集団認定訴訟」では
この日の公判を振り返ると、沢田氏の締めくくり発言は、次に証言台に立った国側証人、小佐古敏荘氏への痛烈な批判となっていた。という、国側の弁護に終始した御用学者であるということを知った。
国際放射線防護委員会(ICRP)の専門委員などもつとめている小佐古氏から、国側弁護団は、大半の時間をDS86とDS02とのかかわりに絞って証言を引き出した。同氏は結論として
(1.S02の線量評価システムは、ガンマ線など各種測定結果から、その正当性が検証された。
(2.DS86とDS02は方法論も同じで、不正確と指摘された最初の評価システムT65DとDS86の間には「革命的」な違いがあったが、DS86とDS02は「兄弟」のような関係にある。基本的部分はほぼ共通しており、改善を加えた。線量評価では、よい一致をみた。
(3.よって、DS02の科学的合理性は検証された。
(4.2km以遠の問題については、そこまで合っていたものが、突然変わるとは思えない――と語った。
国側弁護団の質問にも、小佐古氏の証言にも「きのこ雲の下」で無辜の市民がどんなに苦しんでいたか、そのことを踏まえた話はまったく出なかった。ひたすらDS02の「正当性」なるものを言いたいがために2時間もの持ち時間を費やしたとしか考えられない。
今更...
福島県内の小学校や幼稚園などの利用基準で、被曝(ひばく)限度を年間20ミリシーベルトと設定していることを「とても許すことができない」と非難。「無用な被曝をさせてはいけないと官邸に何度も言った。このままだと、私の学者としての生命が終わる」と述べた。などという空々しい発言は、私にはとても虚しく聞こえた。
空々しい...嗚呼そうか!
小佐古敏荘センセの内閣官房参与辞任記者会見は、民主党小沢グループの空本誠喜衆院議員が同席していた。空本誠喜(広島県出身・早大理工学部卒業・東大大学院、工学博士号を取得後東芝に入社・応用物理学会より放射線賞奨励賞)
空本センセと小佐古センセは子弟関係のようだけど、要は管おろしのパフォーマンスにひっぱり出されたのね。
映画「黒い雨」での田中好子(スーちゃん)の涙は演技であったけど、根底にあるヒューマニズムは演技を超えて感涙した。小佐古敏荘氏記者会見中の涙は、演技か本気かはわからない。
けれど...小佐古敏荘氏の
「法と正義に、ヒューマニズムに則り」等の発言は、私にはとても空々しく聞こえてしまった。