日記(動物写真館)
生があるから死がある。
もし、生と死とサイクルがなかったら、地球はあっという間に微生物で埋め尽くされてしまうだろう。あるいは生物の進化などなかったかもしれない。
でも、やはり死という現実に遭遇する度に人は痛み、傷つき、そしていつしか心の奥に静かに眠らせていく。
サワガニのサワコは9月中頃まで生きた。
産んだ卵も孵化することなく、水槽を洗う時に花壇の土の上に流した。
そして、サワコの亡骸は「夏みかんの木」の根元に埋葬した。
もうひとつ、我が家の飼い猫(チャミー)は、12月頃から急に食欲がなくなり年明けに、動物病院で緊急入院が必要と言われ、入院させたが、入院後さらに容態が急変し自宅に引き取ったが、家族の願いも空しく5日後に天国へ逝ってしまった。
動物病院の処置に対して、不信感や恨む気持ちはない。
ただ、ムリムリに点滴や化学療法等をせずに、自然に任せて上げた方が、あんなにタブタブに浮腫ませずに天寿をまっとうさせてあげられたかも...今更ながら思うことである。
チャミーは12才の誕生日の前日に亡くなってしまった。
遺骨は、市内の寺院のペット専用の共同墓地に埋葬した。
ただその際に...
骨壷を受け取り、ものの1〜2分でささっと散骨し、簡単な読経どころか、合掌もせずにスタスタと帰っていった副住職の後ろ姿に、心の底から憤りを感じた。
しかし、私自身だってサワコを埋葬する時に、合掌こそしたが、その後に平気で夏みかんの木の根元を掘り返しチューリップの球根を植えたではないか。
人は死の現実を時間とともに心の中で眠らせ、そしてまた新しい生を迎える準備をしている。
チャミーの遺影はリビングで私たちを見守っている。
そして、半年を経た今、
私たちは新しい家族を迎える準備をしている。